中国語初級者が『原書で本を一冊読みたい!』そんな脳内の拡張機能が突然働いたと言う、前回のお話の続きです。
私の無謀な夢を一緒に叶えて下さる先生に駅前のカフェでお会いしました。日本人の女性の方です。今までの学習の経緯や検定のこと、今後の学習について話し、本を読んでみたいことも伝えました。緊張し過ぎていたせいか、今となっては、その時、どんなやり取りがあったのかは、全然思い出せません。ただ、「ピン音は読めた方がいいです」と静かに言われたことを覚えています。
そこで、何回かピン音の総復習と発音の講義をしてもらいました。音節表の見方を教えてもらい、表の仕組みを正確に理解した時は、なるほど!と感動しました。おかげでピン音も7割くらい正確に読めるようになり、発音の基礎が分かってきました。先生は「今までどうしてました?」と驚いていましたが、「発音にこんな厳格なルールがあるなんて」と私の方も驚きました。
そして、いよいよ先生と原書購読が始まったのです私の願いを、冷ややかに受け取らず、それならば、とお力を貸してくださった先生を思い出すたび、今でも心の柔らかい部分が温かくなります。
本は自分で選びました。『突然就走到了西藏』と言うエッセイ。中国ではとても有名だという俳優、陈坤(チェンクン)さんが書いています。俳優さんが書いたエッセイであれば、親しみ易く難解ではないだろうし、中国芸能界の話も面白そう、タイトルにチベット(西藏)が入っているので旅行記かもしれない、と内容も知らずにAmazonで買いました。
届いた本の表紙のカバーを外して広げると、なんと端正な阵坤さんの顔が特大のポスターになっていました。中は彼のスナップや、美しいチベットの風景の写真などが散りばめられています。勘を頼りに買った書籍でしたが、パラパラめくっているうちに「早く読みたい!」と言う気持ちが高まってきて、これから始まる長い”読書マラソン”の不安など少しもありませんでした。
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