一口に中国語レッスンといっても、受講する方のレベルと目標によって、もちろん内容が変わってくるのですが、入り口は一つだと思っています。それは、発音の習得。
中国語をマスターする過程で、発音習得は1丁目1番地。
標準的な発音さえ習得してしまえば、その後、ドラマ視聴でも、通訳でもどのような方向にも発展させていくことが可能です。
以前、幼稚園で中国語を教えたことがあります。年中と年長クラスでは、カラフルなイラスト満載のテキストを使いましたが、年少クラスではテキストは使わず、人形、紙芝居、歌、ダンスで20分の中国語レッスンをしていました。年少クラスでは発音記号は一切使いませんでした。
その幼稚園は英語教育に力を入れていたので、年中になると園児たちはアルファベットを読めるようになっていました。それに乗じて、年中クラスではピンインの読み方を少しずつ教えました。
中国語クラスは週1回でしたが、年少のレッスンの翌日は保護者の方からよく声をかけられました。「習った中国語の歌をお風呂で歌っていました」「おぼえた中国語をパパに教えてあげていました」など、園児たちが習った中国語を家で口ずさんでいた様子が目に見えるようでした。
1週間に1回20分ですが、3年もレッスンを続けていると卒園するころにはネイティブのような発音で上手に挨拶ができ、中国語の歌を歌ったり、漢詩を暗唱できるようになります。
大人の学習と違うのは、発話(歌う場合も含め)の量が多いことと、遊び感覚で学んでいることでしょうか。
卒園したあとに中国語の勉強を続ける園児は少ないと思いますが、彼らがいつか、どこかで中国の人と友達になったり、高校や大学で中国語を学んだり、中国に仕事で行ったりする時にふと口から出てくる発音は、きっと彼らが幼稚園の3年間、歌って踊りながら慣れ親しんだ中国語の発音だと思います。
そんな時、中国の人から「あなたの発音、上手ですね!」と言われでもしたら、彼らは「中国語、もう一回やってみようかな」という気になるかもしれない。そうなれば、日本と中国の架け橋の役割を果たしたいと思って始めたこの仕事も意味のあるものなるな。
この子たちが大人になったら、、、そんな妄想をしながら、当時、私はレッスンをしていました。
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